作曲三昧

作曲家十河陽一の日常、非日常日記。

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風の端~私たちの出発点~

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takase2011
少し先の話ですが・・・

高瀬佳子<20周年記念>ピアノリサイタルが2011年9月5日(月)午後7時より、
いずみホール(大阪)にて開催されます。
「高瀬佳子を聴く会」ニュースレターに私の文章が掲載されますので、
ブログにも転載させていただきます。

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風の端~私たちの出発点~  十河陽一

私たちの結婚は、高瀬佳子第一回リサイタルの直後、1991年12月のこと。こちらも今年で二十周年をむかえる。そして次の年の3月、「五年で大作曲家になる」という条件で、私は勤めていた大学を辞めた。言わば結婚退職、というかほとんど結婚詐欺。当然作曲依頼は皆無。そんな五里霧中の状況の中、手探りで書きあげたのが、今回のリサイタルで演奏される「風の端(かぜのは)」なのである。

作曲当時のことはもうほとんど思い出せないが、七転八倒の産みの苦しみを経て脱稿したことだけは覚えている。そしてようやく出来上がった「ひとつぶだね」を、高瀬佳子は機会あるごとに演奏してくれた。

そのおかげかどうかは分からないが、次第に作曲依頼が増え、「風の端」も様々なピアニストによって演奏されはじめる。G.リビングストン氏によるリンカーンセンターでのアメリカ初演とアムステルダムでのオランダ初演、藤沢玲子氏によるウィグモアホールでのイギリス初演(音源あり)、深澤亮子氏による紀尾井ホールでの東京初演、朴貞妍氏によるソウルアートセンターでの韓国初演、そしてイタリアからの初めての出版やBBCはじめ各国からの放送等々。それらの機会は、理想だけを頼りに先の見えない生活が続いた時期に、作曲家としてのプライドを持ち続けるための貴重な推進力を、私に与えてくれたように思う。

内情はともかく、とりあえず作曲家として世間から認知してもらえるようになるまでに五年かかった。私は当初の約束を十年に延長することを提案し、彼女も受諾。さらに月日が流れ・・・ついに今年で二十年になる。大作曲家になるという約束は未だ果たせてはいないが、仕事はずいぶん増えた。そして、それと反比例するように、彼女のリサイタルの度に初演していたピアノ曲を、いつのころからか書かなくなった。

私たちの出発点とも言える作品が記念の年に演奏されることは、私にとっても感慨深い。そして彼女としては十数年ぶりの大きな舞台での再演となる9月5日、さらに熟成された表現で演奏されるであろう「風の端」が今から楽しみだ。

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高瀬佳子<20周年記念>ピアノリサイタル

♪とき        2011年9月5日(月)午後7時開演
♪ところ       大阪 いずみホール
♪主催・問合せ  ムジカ工房  ℡ 072‐689‐0727
♪協力       高瀬佳子を聴く会  ちえの輪倶楽部
♪入場料      一般  前売り3000円 当日3500円

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