作曲三昧

作曲家十河陽一の日常、非日常日記。

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塔和子さんのこと

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新聞紙上で「しずく」という美しい愛の詩を偶然見つけたのが10年前のこと。
作者は塔和子という人でした。
私はすぐにその詩に曲をつけ、上演の許可を得るために塔さんの連絡先を探しました。
図書館にあった塔さんの詩集には、連絡先は国立療養所「大島青松園」と書かれており、
プロフィールには、ハンセン病を患い、60年近くも隔離されてきたとありました。

驚きました。

美しい言葉で書かれたその詩は、
決して甘さに流れず、ぴんと背筋の伸びた格調を感じさせるものでありながら、
ひたむにに、純粋に他者をもとめる、文字通り「愛」を歌ったもので、
幽閉生活の暗さも、自分の過酷な運命に対する恨みも、
らい予防法による強制隔離で人としての尊厳を奪われ続けたこの国への憤りも、
そこからはみじんも感じられなかったからです。

彼女の心の中の様々な傷跡は、私のような人間には想像出来ないほど、
また想像することすら許されないほどに深いのでしょう。
ただ、そこから流れる血を見つめ続け、
それを磨かれた言葉として浄化し、「詩」として生まれ変わらせるという作業が、
どれだけ大変なことかということは、私にも理解できます。
その困難な作業を、生涯を賭けて続けて来られた塔さんは、
やはり本当の意味での「芸術家」なのだと思うのです。


私はその後「大島青松園」に彼女を訪ねました。
縁側でお昼ご飯を食べながら語り合った、
ゆったりとした時間を今でも大切に覚えています。

袖触れ合うも他生の縁。
偶然に見える出会いの中にも必然があり、そして偶然の連鎖は
新たな出会いを生み出すものです。

話はまだまだ続くのですが、それは次の機会にして本題に移ります。

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「塔和子展」開催のお知らせ

2011年5月21日(土)~6月26(日)
東京国立ハンセン病資料館にて
塔和子展が開かれます。


関連イベント


沢知恵 塔和子をうたう ピアノ弾き語りコンサート
塔さんの詩「胸の泉に」に、沢さんが作曲をした歌も披露されます。
日時 2011年5月28日(土)第1回12:00~13:00 第2回15:00~16:00
場所 国立ハンセン病資料館映像ホール


映画「風の舞」上映
塔さんの詩をモチーフにハンセン病強制隔離の歴史と今を検証したドキュメンタリー映画
吉永小百合さんが塔さんの詩を朗読しています。
〈監督 宮崎信恵〉 ※当日は挨拶があります
日時 2011年6月11日(土)13:00~14:00
場所 国立ハンセン病資料館映像ホール


芸術家塔さんの詩についてみんなで語りあう「朗読・読書会」もあります。

詳しくはこちらです

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